中学三年。

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校門から逃げた俺はゆっくり、のんびりと家を目指す。途中、運動場で練習に励むサッカー部員を見て、ふと思った。 俺は何故部活に行くの辞めたんだっけ? …………あぁ。そうだ。 ───────── 俺も途中まで必死に練習したんだ。ゴールキーパーとして。でも、選手入り所かベンチにも入れなかった。 時々、どうでもいい試合で出して貰えるが試合経験の少ない俺は緊張とかその場の雰囲気に呑み込まれて皆の足を引っ張ってばかりだった。 失敗する度に俺に向かって飛ばされる怒号。仲の良かった友達も俺に苛ついた視線を送る。 そして俺が最後に部活に行った時、某中学との練習試合。それまでの練習態度を認められての抜擢だった。 正直言って俺も自信があった。周りも応援してくれた。 しかし、相手がこれまでとは格の違う強さだった。シュート数、キック力、正確さ。そのどれもが今までを上回っていた。味方も中々ボールを奪えず、奪ったとしても直ぐに取り返された。 手も足もでないこの状況に苛ついた部員達の怒りの矛先は当然ながら、俺に向いた。口々に文句を言う部員達。俺はそこで言い返した。 今までは確かに俺が悪かったが、今回は悪い奴はいないからだ。しかし、多勢に無勢。怒りが頂点に達した俺は、手近にいた奴を殴り倒し試合中にも関わらず家に帰った。それ以来だ。部活に行ってないのは。その後、謝りにきた部員と顧問に家で作成した退部願を叩きつけ、許さないの一点張りでサッカー部との溝を深くした。 今冷静になって考えると、何故あの程度の事であんなに苛ついたのか分からない。反抗期という奴だろうか? そんなこんなで俺がくつろげる場所は、今目の前に広がるこの家しかない訳だ。 それから暫くは何もない平凡な学校生活を送った。
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