牧野始と狂気の学園

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そんなこんなで昼休みになったが、学園内はいつもより騒がしい。 まあ、あの宣戦布告の後では当然か…。 中でも一際煩いのが1人、奇声を上げながら廊下を爆走していた。 「ああああああ!何で俺のカツカレーにカツが入ってねえんだよぉぉぉ!!俺は憂鬱だぁぁぁぁぁ!」 いや、知らんがな。弁当の事だか学食の事だか知らんが、作った奴に言え…。 そんな事を考えながら廊下を歩いていると、前から歩いてきた数人の生徒に声をかけられた。 「よう、お前はどうするんだ?大山皇帝の部下になるのか?」 どうやら、大山皇帝とやらの部下になった連中の様だ。 ああ、ついに絡まれてしまったか…。 こんな時はどう答えるのが正解なんだろうか…。断れば勿論目を付けられるだろうし、部下になったらなったで妙な事に巻き込まれるのは目に見えて明らかだ。 「あ、ああ…俺は…」 何か言おうと声を出したところで、部下の内の1人が口を挟む。 「お前、戦闘に自信はあるのか?」 「いや…ないよ。俺は魔法なんて使えないし、運動神経は並だ。」 俺に質問してきた部下は、鼻で笑うとこう返してくる。 「何だよ。そんなんじゃあ使い物にならなそうだな。」 そうだ、その通りなんだ。俺は弱い。だからさっさとどこかに行ってくれ…! 「だったら、せめて貢物くらいはしないと駄目だよなぁ。」 別の部下が俺に詰め寄る。ただのカツアゲじゃねえか…! 俺が観念して金を渡そうとしたその時、廊下の奥から歓声が上がった。 「うおおおお!流石は大山皇帝!」 「学園の覇者!」 「天下無敵!」 どうやら、大山とやらが何かをしたらしい。 気に入らない奴をぶちのめしでもしたのだろうか。 俺の目の前にいた部下3人組の目線が歓声の方へと向く。 (今だ…!) 俺は全力ダッシュでその場を離脱し、教室へと駆け込んだ。 どうやら、上手く撒けたらしい…。 クソッ…冗談じゃないぞ。 この先こんな日々が続くのか…?
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