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そして、花音と連絡先を交換した俺達は他の部活を見て回る。
『デ部』『しゃぶしゃ部』…馬鹿にしてんのか?
『バスケットボールを使って遊部』…普通にバスケしろよ!
『園芸劇部』…混ぜるな!
俺は、内心でツッコミを入れまくっていた。
結局ろくな部活がない事が解っただけだ。
俺は、そのまま達也と別れて帰路に着く。
「はぁ…何か色々あった日だったなぁ。」
「へぇ、そうなんだ。」
独り言に対して返事を返された俺は、何事かと思い横を向く。
そこには、ニルス・トラーぺの姿があった。
「やあ、始君。」
「やあ、じゃねーよ!ビックリしただろ!」
「色々あったんだって?君も大変だねぇ。」
「ああ、色々あって大変だったんだぜ?ま、ちょっといい事もあったけどな。」
「ふーん。【普通】の君には過ぎた体験だったって奴かい?」
「そうだな。俺はこの学園の常識とやらにはついて行けそうにない。」
「あのさ、一つ聞いていいかな?」
ニルスが真剣そうな表情で問いかけてくる。
「ん?何だよ。」
「君は本当に『普通』なのかい?」
…はっ倒すぞテメエ。
「俺は正真正銘の『普通の男』ですよ。それ以外に何があるんだ。」
「……へぇ。」
何か含みのある言い方しやがるなあ。
「なら良いんだけど。」
「何が言いたいんだよ……。」
「別にぃ~?ただちょっと疑問を持っただけさ。」
ホント何なんだコイツ。
「ま、普通でいられるように頑張りなよ。じゃあねぇ!」
そう言うとニルスは走り去っていった。
何だったんだアイツは…。
俺にとっての【非日常】は、こうして幕を開けた。
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