758人が本棚に入れています
本棚に追加
玄関でお母さんに叱られたわたしは、きびすを返して、今度は家を飛び出す。
そして疲れたはずの足が向かった先は、家の裏手にある、森だった。
誰もいない、泣ける場所。
頭のはしっこでそう思っただけだったのに、わたしの足はまっすぐ森に。
ただ大きな声でわんわん泣きたかった。
それだけだった。
そうして、わたしは森の中に飲み込まれてゆく。
昼間でも薄暗い森の中は、とても静か。
鳥の声も聞こえないくらいに静かな森の中、わたしの声や足音ばっかり響く。
森の奥に走っていって、走っていって、息が切れて走れなくなった頃。
わたしはその場に突っ立って、上を向いて、声を上げて泣いた。
_,,
ミセ#;д;)リ「うわあぁあぁぁぁあんっ!! うああぁぁぁぁあぁあんっ!!」
バカみたいに、泣いた。
涙はどんどん溢れて、止まらなかった。
最初のコメントを投稿しよう!