第一話 『ひきょうもの』

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玄関でお母さんに叱られたわたしは、きびすを返して、今度は家を飛び出す。 そして疲れたはずの足が向かった先は、家の裏手にある、森だった。 誰もいない、泣ける場所。 頭のはしっこでそう思っただけだったのに、わたしの足はまっすぐ森に。 ただ大きな声でわんわん泣きたかった。 それだけだった。 そうして、わたしは森の中に飲み込まれてゆく。 昼間でも薄暗い森の中は、とても静か。 鳥の声も聞こえないくらいに静かな森の中、わたしの声や足音ばっかり響く。 森の奥に走っていって、走っていって、息が切れて走れなくなった頃。 わたしはその場に突っ立って、上を向いて、声を上げて泣いた。   _,, ミセ#;д;)リ「うわあぁあぁぁぁあんっ!! うああぁぁぁぁあぁあんっ!!」 バカみたいに、泣いた。 涙はどんどん溢れて、止まらなかった。
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