第五話 『ひつようあく。』

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そして十分やそこらを歩いたところで、大きな木が目に入った。 昨夜聞いた誰かの言葉が正しければ、ここから東に行けばラムダ族の村がある。 レモナは躊躇い無くその木から東へと方向を変えて、ざくざくと歩いた。 後ろでは武器を杖の様にして歩く仲間達。 吐息、咳き込む声、転ぶ音、うめき声。 耳へと舞い込むそれらに意識を向けない様、レモナは黙って歩くだけ。 耳を傾けてしまえば、決心が揺らぐ。 優しくしてしまえば、もうここから動けない。 最後の最後まで、仲間達を苦しませてしまっている。 どんなに感情を抑え込んでも、このどうしようもない罪悪感だけは残ってしまう。 ああ、ごめんなさい、ごめんなさい。
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