758人が本棚に入れています
本棚に追加
物置小屋から飛び出してきたのは、二人の子供。
この村で二人しか存在しない子供が、この二人なのだろう。
小さな緑の体に、先折れ耳。
純血たるラムダ族の姿をした子供が、びぃを助けようと声を荒らげていた。
ネーノと呼ばれた、目の釣った子供に押さえ付けられている為、こちらへ来たくても来られない、ノーネと呼ばれた子供。
あの押さえ付けられている方がびぃの子供なのか、とレモナは少しだけ、本心から微かに笑った。
そして二人に背を向けて、再び刃を振り上げる。
困った様な、悲しそうな顔で微笑むびぃ。
その首をしっかりと狙っい、ひゅおん、と空気を引き裂きながら、力強く降り下ろした。
最初のコメントを投稿しよう!