758人が本棚に入れています
本棚に追加
親を殺されて泣き叫ぶ子供。
その傍らで、友人の母を呼び続ける子供。
レモナはびぃの頭をそっと置いて、刃物を地面から引き抜き、歩き出した。
適当な小屋に入って、枯れ草と油を引きずり出す。
そして小屋から出ると、その二つを辺りにまき散らかした。
油が入っていたビンを投げ捨て、別のビンを掴んで村の入り口まで足を運ぶ。
すると村の入り口には、有髪族がぐったりと折り重なりながら倒れていた。
もう息がある者は殆ど居らず、生きていても虫の息。
今にもその命の灯火が消えんばかり。
ざ、と倒れる仲間達の前にレモナが立つ。
虚ろな目をよろよろ動かして、血を吐きながら、じぃがレモナを見上げた。
そしてその手に握られている刃と、返り血で赤くなった金髪に、眉を寄せ、ああ終わったのか、と諦め気味に笑った。
最初のコメントを投稿しよう!