過去と未来の間

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――灰谷達がそんな会話をしている間、移動を終えた怜奈達は夜宵が口を開くのを待っていた。 この部屋は先程居た部屋よりも、かなり汚い。 倒れた箪笥に降り積もっている埃は、間違いなくギネス記録を更新する厚みだ。 そんなギネスがあるのかは知らないが、怜奈は待っている合間にそんな事を思っていた。 「……同じ家なのに、何でここまで違う?」 「人の出入りが無いからじゃないか?」 涼介達がそんな事を話していると、夜宵は振り返って怜奈達を見据えた。 「今回、鬼、全員、13鬼将」 四体全員が13鬼将なのか…… まぁ、その内一体は夜宵だから、実際の敵は三体だけど。 「情報、一」 夜宵は怜奈の前に、少し大きめな覗き用の歪みを作り、怜奈の横に並んだ。 歪みには三体の鬼が映し出されていた。 「右、アフ。中央、ヘマハ。左、マシト」 その名前を聞いて反応する浅葱。 涼介は目線を浅葱に合わせる様に屈み込んだ。 「知ってんのか?」 自分達の背後で行われる遣り取りに怜奈は振り返り、夜宵は口を噤む。 「……この鬼は知らない。でもその名前は知ってる」 更に問う涼介を見て、浅葱は無表情に答えた。 「……アフ、ヘマハ、マシト、三人合わせて、地獄の三天使という。要は天使の名前」
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