過去と未来の間

18/49
前へ
/83ページ
次へ
「本来、一回、鬼事、13鬼将、同時、出現、皆無」 一回の鬼事とは、一ヶ月を一回と数えているのだろう。 同時に現れる事が無いのに、何故現れる様になったのか? 浅葱の問いに対し、夜宵が答えるより早く怜奈が答えた。 「ルール変更、だね?」 それに頷いた夜宵は解決した質問を横に置き、当初の質問を答える為に口を開いた。 「番号、順番。一ヶ月、一回、交代」 つまりはこういう事だ。 例えば、今回の鬼事に出る順番が夜宵だった場合、次の鬼事には綾女が出るのだ。 綾女で最後だろうから、その次の鬼事は1番に戻る。 しかし、ルール変更がされた今は、この数字に然したる意味は無い。 そう感じた怜奈は、質問を打ち切って新たな情報を聞いた。 「地獄の三天使、特殊、能力、無し。連携、武器」 綾女の様に人を操ったり、夜宵の様に空間移動をしたりと、特殊な能力は無いらしい。 安堵する怜奈に手を翳し、注意を促す夜宵。 「三人、同時、相手、危険。でも、単数、相手、不可能」 連携を武器として戦う地獄の三天使を、複数で戦うのは危険だが、一人ずつ戦う事も不可能。 それはそうだろう、連携を武器としている以上、兵力分散の愚は冒さない。 誘き出す作戦も、恐らく通用しないだろう。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加