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悩んだ怜奈は、指を銜えた。
取り敢えず……、こっちも灰谷さん達と合流する?
その為には、灰谷さん達を発見しなければならない。
敵に見付からず、仲間を見付ける……
そんな芸当、私達に出来るかな?
「情報、二」
怜奈の悩みを余所に夜宵は、もう一つの情報を提供した。
怜奈は唇から指を離して、それを聞く。
「地獄の三天使、地下、居る。直、一階、上がる。今、二手、別れてる」
たった今、連携を重視した戦いをすると言ったのに、二手に別れているとはどういう事なのか?
夜宵はそれに答え、怜奈達を納得させた。
「それ、飽く迄、心構え。非常事態、無効」
非常事態?
二手に別れる必要があるって事?
新たな疑問が生まれ、非常事態が何を指すのか、怜奈はそれを夜宵に投げ掛ける。
「トイレ」
……はい?
怜奈は聞き間違いかと思い、再度答えを求めた。
夜宵もそれには全く動じず、再度質問に答える。
「アフ、マシト、トイレ、行く。その間、ヘマハ、一階、捜索」
動じずに口にする物だから、却って間抜けに聞こえる。
頭を掻いた涼介と、何も無い虚空を眺める浅葱は、そっと口を開いた。
「……連れション」
「言っちゃった!?分かってても言わなかったのに!間抜けだから、敢えて何も言わなかったのにっ!!」
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