過去と未来の間

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仲間を呼ばれては怜奈達が困る。 だが、夜宵にそれを拒絶する術は無い。 「どうした?さっきは出来て、今は出来ねぇってか?」 横に立つ夜宵を流し目で見下ろし、そう言うヘマハ。 その発言は、何かの異変を感じ取っている。 確信めいた口調と顔には、夜宵の裏切りを既に予知している、と言葉を発さずとも、そう言っている様だった。 「そんな事、言っていない」 夜宵は小さな歪みを作り、それに顔を近付けた。 その瞬間、怜奈は夜宵との距離を縮めて槍を突き出す。 止める口実を作らなきゃ…… 「おいおい、邪魔とか野暮な事はしなさんな」 寸前で怜奈が突き出した槍を左手で掴み、後から突き出した右手で怜奈の顎を掴んだヘマハは、陽気な口調でそう言う。 身を退いた怜奈だったが、それを防ぐ事は叶わなかった。 ゆっくりと歪みから顔を離す夜宵を視野に入れる怜奈。 ヘマハの背後にある歪みを広げ、その脇から顔を覗かせた夜宵は手を後ろに振った。 「邪魔してんのは……」 お前だ!と叫び、前蹴りを食らわせようとする怜奈。 だが、受ける前に身体を右に向かせたヘマハは、右に視線を動かして口を開いた。 「こんなとこに都合良~く、ゲートがあんじゃん」 ヘマハは前蹴りを避け、勢いをそのまま利用して怜奈の背中を突き飛ばす。
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