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数カ月後――――。
「菊?
ここに荷物おいとくからな。」
「……。」
上司に”ありがとうございます”と、言いたかったんですけど
私はもう喋れなくなっていました。
あれから
私の髪は抜け落ち
食欲もなくなり
体重は減るばかりでした。
もう、長くないと
自分でもわかっていました。
アーサーさん…。
今あなたは何をしてますか?
私はいまもずっと
あなたの事を想い続けています―――。
「っ?!
げほっげほっ……。」
「おっおい
医者…医者を!!」
「っ……
も…いぃ…です。
次……発作…がっ
げほっげほっ。」
「いいからもう喋るな!」
もういいんです…。
次発作がおきたら
最後だと言われていたんです…。
さよなら…ですかね…。
まだもう少し生きて
日本をもっと安定させたかったです……。
アーサーさん。
ありがとうございました…
私は
あなたに会えて本当に
幸せでした…
次もまた…
あなたと同じものに…
生まれたい…
そしてまたあなたに
恋をしたい。
さよならはやっぱり言いません…
次また会えるように…
アーサーさん…
また今度。
END
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