其の八

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「いいんですっ、具合悪いときはこうやって横になると落ち着くんですっ」 駄々っ子みたいに頬をぷーっとさせて、口を尖らせる彼に我慢していた口許が緩む。 「あ、笑いましたね」 「あはは、元気があるみたいだから安心しました」 「ちょっと、ただいじけてるんだけど?」 いじけてたのかい。 またも吹き出す私に、今度は沖田さんまで吹き出して。 「土方さんから伺いましたよ。貴女が私を見てくださったそうですね。医術の心得があるとか?」 「いえ、そんな大したことしてないですよ」 以前、部活をしていた時にな熱中症になりかけた子に応急措置していた先生の真似をしただけだ。 「・・・どちらにせよ、助かりました。ありがとうございます」 「いえっ、ちゃんと体休めてくださいね?」 「もう大丈夫なんですけどね。土方さんてば、過保護だから」 「あはは。確かに。まあ、でも、今回は大人しく従ってください」 「はーい」 “小姑にまで言われたら仕方ない”と小さな声で呟いたのは、聞こえなかったことにしておこう。
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