プロローグ

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「なっさけない顔」 ショップの硝子に映る自分に悪態をつく。 「長くて綺麗な髪が好きだ」そう言う彼の言葉に、馬鹿正直な私は短かった髪の毛を腰丈まで伸ばし手入れにも力を入れた。 尽くすタイプではないものの、それだけは譲れなくて自分でも自慢できる所だった。 けれども、その結果がこれだ。愛想尽かされて捨てられたのは、紛れもない事実で。 胸の奥を何かに掻きむしられるかのように、苦しくて。 この気持ちを一体何処へぶつけたらいいのだろうか。
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