325人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
「おいっ!好乃!」
平助君の呼ぶ声が微かに耳に入った。
“危ない”
そう言いたいのだろう。
私だって、来たかった訳じゃない。
いくら土方さん達が加わったとしても、全く血が流れないなんて、
そんな綺麗なものじゃないって
分かってたから。
「沖田さん!」
二階へかけあがり、目に舞い込んできたのは土方さんと、
抱えられるようにして横たわる沖田さん。
「・・・っ」
すでに戦闘も捕縛も済んだのか、静まり返る室内に
ただ静かに横たわる沖田さんが、やけに綺麗で。
危うく、泣きそうになる。
「好乃、てめえは屯所に・・・」
「ちょっと見せてください」
「・・・・おい」
土方さんの言葉を遮るようにして、沖田さんへと向き直る。
最初のコメントを投稿しよう!