其の八

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「おいっ!好乃!」 平助君の呼ぶ声が微かに耳に入った。 “危ない” そう言いたいのだろう。 私だって、来たかった訳じゃない。 いくら土方さん達が加わったとしても、全く血が流れないなんて、 そんな綺麗なものじゃないって 分かってたから。 「沖田さん!」 二階へかけあがり、目に舞い込んできたのは土方さんと、 抱えられるようにして横たわる沖田さん。 「・・・っ」 すでに戦闘も捕縛も済んだのか、静まり返る室内に ただ静かに横たわる沖田さんが、やけに綺麗で。 危うく、泣きそうになる。 「好乃、てめえは屯所に・・・」 「ちょっと見せてください」 「・・・・おい」 土方さんの言葉を遮るようにして、沖田さんへと向き直る。
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