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「ちょ、お前何してんだっ」
「え?何って、応急措置」
少しでも和らぐようにと、沖田さんの着物の合わせを緩めていると、腕に手をかけられた。
「・・・総司を移す」
「屯所ですか?」
「ああ。あそこが一番いいだろうよ」
「ですね。少し呼吸も落ち着きましたし」
忠実では、喀血して戦線離脱とある。
が、異説の熱射病による貧血も処置できるように準備してきた。
準備と言えども、手拭いと水、薫さんに借りた扇子だけだが。
頬を赤らめ、未だに若干苦しそうな沖田さんを見ていると、何とも言えない気持ちになった。
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