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図書館の奥にある倉庫。
古くなり汚れの酷くなった本の中で、ボクはぼーっとしていた。
大学受験三度目の失敗、頭が真っ白のボクはその日一日を完全に無駄に過ごしていたわけだ。
多分、使いものにならないって事で廃品仕分けに回されたんだと思う。
汚れ具合で近所の保育園へ送るか捨てるかを決める、かなり地味で重要性の薄い仕事だ。
バイトだからこそ許される仕事とも言える。
扉一枚隔てた向こう側は、利用客への対応に追われた夕方の込み合った時間が流れているのに対し、ボクのいるこの場所は、此処へ追いやられると同時に時間の止まってしまった本達の眠る墓場であり…その場所に追いやられたボクもまた、思考回路が完全に止まってしまった無時間の存在と言えるのではないだろうか、とはいえこの本達と違ってボクの体は確実に時間を刻んでいくのだから
ぐぅ~…
腹、減ったかも。
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