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ふわっと熱気が立ちこめる。
すぐ後に緑の濃い爽やかな風がボクの髪を吹き上げた。
騒がしくも愛らしい小鳥の鳴き声が聞こえ、初夏を思わせる日差しが眩しい。
『…え?なに…コレ』
先程まで児童書が山を作っていたスペースに、大木の陰で眠る少女がいた。
そのスペースだけがどこか避暑地の午後の風景となり、それ以外…ボクの立つ床や、仕分けしていない資料集の山は暗い図書館の倉庫のままである。
『立体映像機能搭載絵本…?』
ナイナイ、と自己ツッコミ。
少女は眠り続けるだけ、ページをめくれば変わるかな?と思いめくってみても変化は見られず。
何より、次のページ真っ白なんだ、変わる訳ないなと妙な納得をした。
『…ねぇ、キミ』
何となく話しかける。
ぴくっと小さく反応があり、ゆっくり少女が瞳を開いたその時、小鳥が数羽部屋の中を飛び回った。
『うわっ!?』
驚いたボクはその拍子に本を閉じてしまった。
辺りは何事もなかったかのように静まり返った。
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