ボクはその日、なんの為にその場所へ行ったのか…。

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ドキドキドキ 全てがいきなりの事で頭が混乱している、辺りを見回せたのは結構経ってからだろう。 倉庫はやっぱり倉庫で、鳥も木も暑い日差しもその場所にはない。 あるはずがない。 ボクの手には真珠色の本が一冊あるだけで、ペラペラとめくってみても真っ白な紙が埃っぽい風を送るだけ。 嗚呼、不合格ショックで幻覚まで… ボクはよろよろと本を近くの本山に置き、倉庫から出て本日の仕事を終了した。 あれは多分、夢を見たんだ。 スーパーで割引シールのついた弁当を選びながら、あの本の事を考える。 勿論答えなんて出ない、答えらしい感じのものは全て非現実的すぎて答えにならない。 どうせシールついてなかったんだし、持って帰っても良かったかな…。 ちらりとそんな事も考えつつ、好物の南瓜の煮付けに目を奪われ、思考は全て食欲に食われた。 でも…あの子、可愛かったかも…。
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