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「チェシャ猫君、どういう事だね。その子はさっきの…」
「えぇ、この子は先程のアリスですとも」
「何故だ!食った筈じゃなかったのか!」
「貴方方は本当に美食家なのかね、豚と人間の区別も付かないとは!」
チェシャ猫が両腕を広げると、客の周りにガラスの壁が降りてきた。
客は逃げる間もなくガラスの壁に閉じ込められ、どんどんと叩き開けろと叫ぶ。
「チェシャ猫君、どういうつもりだね!」
「アンタ達はもういらない。アリスは完成したんでネ」
少女を抱き上げガラスの壁に近づくと、チェシャ猫はニヤリと笑った。
しゅーっと音を立てて壁の内部から空気が抜かれる。
「あぁ、ボクは嘘はついてないからネ。アリスという名の豚の飼育、クローン技術で大量生産だ。それで生まれた第一号を今日、食ってもらったんだヨ」
中はもう殆ど空気がないようで、全員バタバタと床に倒れる。
「もう二度と食べれなくもなった。全て宣言通りだ」
もう誰も、聞こえていなかった。
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