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「まだっ、ひっくっ、まだあたしおじちゃんに何も渡してないっ……!!えぐっ」
「あーあーあーあー、じゃあ!じゃあ!こうしよう!この帽子をおじちゃんにくれ!」
俺はメリ子の小さな頭から赤いサンタ帽子をそっと持ち上げた。
「ぼう……しっ、欲しいっの?ひっく」
頼むからこれで泣き止んでくれ。
涙目で俺を見上げるメリ子の乱れた髪を撫で、鼻水を拭いてやる。
「帽子欲しいよ。俺はたぶんこれからハゲるから。こういうのかぶって隠したいなーって思ってたトコなんだよ」
我ながらいい提案だと思う。ものすごく自虐的だが。
「んー……、じゃあ、あげる」
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