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「おかえり、アリス」
「ただいま、チェシャ猫さん」
山奥の廃墟と見紛うばかりに古い洋館。
そこには二人の住人がいる。
一人はアリス、水色のエプロンドレス風のロリータファッションを好む少女。
年齢は…おっと、コレは言わない決まり、見た目の年齢は十歳くらいの、金色の髪が美しい可愛らしい少女…少女…である。
もう一人はボク、チェシャ猫。
長年着続けた執事の制服がボロボロの継ぎ接ぎだらけ、いったい何年着てるだろうか。
何年?何十年?…何百年?
別に執事ってわけでもなくて、あったから着てるだけなんだけどネ。
「でー…君の兎は見つかったのかいアリス」
「白々しいわねチェシャ猫さん。貴方知ってて訊くんだもの」
アリスは鞄からちょっと大きな丸い物を取り出す。
「知ってるんなら早く教えて欲しいものだわ!そうすればこんな無駄骨折らずに済むんですもの!」
それは男性の頭。
アリスはそれをガラスケースにいれた。
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