アリスの兎探し

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「ボクは知ってて知らない。そして知ってて言わないのと知らなくて言わないのは『教えない』という結果では同じコト。ボクは嘘は言ってないヨ~?本当のコトも言ってないけどネ」  ボクは重いガラスケースを棚に飾り、その隣…ずらっと並ぶ同じサイズのガラスケース達を見る。  近いものから順に白骨化していく頭を眺めながらニヤニヤ笑った。 「アタシは早く兎さんを見つけたいの!貴方の言葉遊びにつきあっている暇はなくってよ!」 「アリス、今日は一段と不機嫌だネェ。何かあったのかい」  アリスのことだから、きっとトランプ兵がしつこく追いかけてきたのだろう。 「なんでもなくってよ!ただ、ジャムの瓶が空だったものだから、今朝のパンはジャムなしのバタートーストになったのよ」  ジャムねぇ…空っぽだったのか、そりゃ気付かなかったよ。 「ちゃんとジャムの材料も持って帰ってきたんだろうネ?アリス」 「勿論よ」  ボクは良い子だと言って厨房へ向かった。
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