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「兎さんはアタシのハートを盗んでいった。だからアタシの成長は止まったまま。それはかまわないんだけど」
アリスはティセットを取り出しお茶の準備。
「盗られたままじゃ気分悪いから、今度はアタシが兎さんのハートを盗んでやるの」
「なーるほどね~」
ボクはティセットを持ったアリスを背中から抱き上げる。
そして、かつて三月兎ややまね、イかれ帽子屋のいたパーティー会場へと連れて行った。
「早く見つかると良いネェ」
「貴方が居場所を言えば済むことだわ」
「ボクは『言わない』をしてるの。言ったらアリスはまた出かけるでしょ?」
ぎゅっと抱きしめたボクの腕に、しっかりと鼓動するハートがアリスの中にちゃんとあることも、『言わない』コトにしようと今日も思いアリスといる。
毎日が楽しくて退屈、コレって幸せなことなのかな?
それとも不幸?
―終―
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