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もう半時は歩いたのではないだろうか。
一つの家の隠し通路としては長すぎる。
この蝋燭は一体誰が灯しているのだろうか。
こんな場所にあんな…猫娘が住んでいるなんて誰が知っているのだろう。
第一、あの人形は誰が?
考え歩く。
曲がり角を曲がると、まるで牢屋のような部屋に出た。
今までは暗いながらも綺麗な板張りの廊下だったというのに、その部屋は岩肌剥き出しの地下牢である。
その岩壁に沿うように、沢山の日本人形がずらりと並んでいた。
何重にも並べられた人形を部屋の中心にある灯籠が照らし、壁や天井に更なる人影の層を浮かび上がらせる。
その中に、あの茶運び人形の姿も見つけた。
人形達の見つめる先、灯籠の傍らには布団が敷かれている。
そこには、伸ばし放題に伸びた髪、よれよれになった桜柄の襦袢、三つの継ぎ接ぎだらけのお手玉…骨と皮としか言いようのない、性別も判じかねる程痩せ細った人がいた。
「誰、そこにいるのは」
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