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―まーたお勉強?―
ひょこっと金木犀の後ろから顔をのぞかせる。
金麗はどんな仕草も可愛い。
次の日は朝早くから此処へ来たのだが、金麗は既に所定位置にいて此方を見ている。
一体何処に住んでいるのだろうか。
一度訊ねてはみたがはぐらかされてしまって以来訊くに訊けない。
「この場所が一番はかどるんだ」
つまらなさそうに本を覗き込む金麗を撫でてやれば、まるで猫のように目を細めもっと撫でろとせがむ。
「きっと金麗がいるからはかどるんだよ」
「私が貴方の勝利の女神ね!」
嗚呼そうだよと笑いあえば、本当にそうなんじゃないかという気分になる。
試験に合格し、仕官になれたら彼女を妻に迎えよう。
我が愛しい女神は、木を背に座る僕の膝に甘えるように手を置く。
僕は今までこんな可愛らしい女性を見た事がない。
そしてこれからも、二度と見つける事はできないだろう。
逃してはいけない。
きっと一生後悔する事になるだろうから。
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