‐アイス‐

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街並みが綺麗で、鋪装された鱗状の道路や遊歩道が特徴の街。 二人はそんな美しい街で育った。 近所の美しい広々とした山の公園が、二人の遊び場だった。 公園の真ん中は砂の広場で1600m程あり、鉄棒や滑り台、アスレチックや多彩な遊具が取り付けられている。 それを取り囲むように芝生が整えられ、季節により花見や紅葉狩りを楽しめるほど、多種な木々が木陰を作って居た。 その芝生を取り囲むように低い煉瓦造りの階段が三段、やはりこの公園も煉瓦で鱗状の模様が描かれている。 ドテン!!。 なげしが鱗煉瓦の上豪快にスッ転んだ。 バッチャリとなげしの手に持っていたアイスが、スッ転んだ衝撃で音を立て地に散らばる。 ジワジワと地面の上で溶けていくアイスを涙目で見つめ、呆然と座り込んでいるなげしに「やれやれ」とノタノタ歩み寄る夏人。 「うっ……ふぅえ゛……ぇッぐ……うぅう゛……」 なげしはやがて、しゃくりをあげ、アイスの棒をギュッと握りしめた。 なげしが落としたチョコレートアイスは、鱗状の綺麗な道にジワジワとシミをつけるように溶け拡がり始める。 「ああ゛~!! 泣くな、暑い」 飽き飽きとした態度でなげしを見下ろし見つめ、暑さを少しでも逃がそうと服の裾を掴んで扇ぐ、狛犬のような眉間のシワを作った夏人の額にじんわりと汗が滲んでいた。 季節柄あまり風の吹かない所為もあり、からりと言うよりはジメッと体にまとわりつくような熱が体力を奪う。 熱の暑さと匂いを鼻腔で感じながら、ため息を口から吐き出し夏人がなげしに手を差し伸べた。
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