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「俺の中心はスズだ。スズがいなきゃ人生意味がないし、スズが泣いてるのに慰められないのは悔しい。
でも傍にいたらいつでも今日みたいに慰めてあげられるだろ」
「ヨウ……」
「てか、一緒に住んでくれたら泣くこともないし俺も嬉しいんだけど」
──直球だ。
このブレない強さはどこからくるのだろう。
わたしが高校生のころからずっと惹かれているのはこの素直さと強さだ。
「どう?」
「どうって……」
「思い付きで言ってるんじゃないよ。
これから先もずっと一緒にいたいんだ。そのための同居でその先の約束だ」
「約束……」
それがどういう意味かはわかる。
断る理由なんかどこにもない。
でも涙がこみあげてきてうまく返事ができない。
ずっと一緒にいられるの?
もう寂しい夜はこないよね?
「一緒に探してくれる?」
わたしはコクンと頷いて。
返事の代わりにキスをした。
─── end ───
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