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「なに考えてる?」
「…内緒」
「俺はね、こんなとこでスズにキスしたいって考えてた」
そう言って、私の顎をさらっていくから、そっと瞼を閉じた。
柔らかい唇が私のそれを優しく包み込む。
もう幾度となくヨウに愛され私は幸せをもらった。
遠くでアナウンスの声…。
『これより新婦によりますブーケトスを行います。
どうぞ、独身のご友人は前のほうへお集まりください…』
…ブーケトス。
花嫁から受け取った人は次に結婚できるっていうやつ?
私もいつか、そんな日が?
「スズ、行かなきゃ。ちゃんともらって来いよ」
ヨウが冗談めかして言うから。
「それ、もしかしてプロポーズ?」
私も照れて言い返す。
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