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ホールの前ではすでにたくさんの人。
でも、あかねと目が合えば…。
「鈴っ!」
私に向かって放り投げられたブーケは大きな弧を描いて落ちてくる。
『スズが求めなきゃ意味がない』
ヨウが言ったセリフが頭の中で響いた。
…そう。
私は精一杯手を伸ばしてブーケを受け取るために背伸びする。
幸せになるために、私からも求めていかなきゃ。
そうすれば…。
ブーケはちゃんと私の手の中に───。
完
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