2564人が本棚に入れています
本棚に追加
「…だって好きなんだもん」
そう言ってフォークをくわえるスズがあまりに可愛いくて…。
その言葉は俺に向けられた分けじゃないのにドキッとした。
「顔が赤いよ」
不思議そうにスズが覗き込む。
「な、なんでもないよ」
俺は照れ隠しにケーキをパクついた。
隣でスズがクスクス笑い出す。
「なんだよ?」
「ついてるよ、ここ」
スズは俺の唇の端を指さして。
「どこ?」
「ここ」
そう言って腕を伸ばして。
身を乗り出すと…俺の唇を舐めた。
「!」
驚く俺を横目に、
「だって美味しそうだったから」
とお茶目な顔をする。
「…ばかっ」
時々…、とんでもないことするよなぁ…。
悪びれずニコニコと機嫌のいいスズ。
ま、そんなところも大好きだけど。
最初のコメントを投稿しよう!