番外編 いち。

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「…だって好きなんだもん」 そう言ってフォークをくわえるスズがあまりに可愛いくて…。 その言葉は俺に向けられた分けじゃないのにドキッとした。 「顔が赤いよ」 不思議そうにスズが覗き込む。 「な、なんでもないよ」 俺は照れ隠しにケーキをパクついた。 隣でスズがクスクス笑い出す。 「なんだよ?」 「ついてるよ、ここ」 スズは俺の唇の端を指さして。 「どこ?」 「ここ」 そう言って腕を伸ばして。 身を乗り出すと…俺の唇を舐めた。 「!」 驚く俺を横目に、 「だって美味しそうだったから」 とお茶目な顔をする。 「…ばかっ」 時々…、とんでもないことするよなぁ…。 悪びれずニコニコと機嫌のいいスズ。 ま、そんなところも大好きだけど。
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