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僕の名前は勅使河原(てしがわら)哲也、ピカピカの高一。
今、特にする事もなく、校庭の隅を闊歩(徘徊)している。
そう、暇なのだ
僕が通っているのは県立瀬戸際高校、部活が多過ぎることで有名で、その数は三百を数えるという。
そして今は新入生が本格的に学校生活を始めたばかりなので、部活の勧誘が半端ない。
今日だけで二十回は断った。
「「おい、そこのキミ」」
暇している僕に声をかける人影が二つ。
「何ですか?」
僕が振り返るとそこには痩せ形で眼鏡、鏡に映したようにそっくりな先輩二人がいた。
「「タマちゃんの事を見守る会に興味はないかね?」」
「今時タマちゃんですか?確か今、行方不明でしたよね?」
僕がそう言って立ち去ろうとすると、先輩二人に肩を掴まれた。
「「まあ待ち給え、そんな野暮は言わなくても…」」
「第一何ですか、見守る会って。正直、怪しいです」
「「いやいやいや、そんな事は無いよ。我々はタマちゃんを見守るという…」」
「見守るのに徒党を組む必要は無いです!失礼!!」
僕はそう言って走って逃げだした🏃
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