天界

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「…ぃ……お…ろ………ン!」 …何だろう、頭の上から声が聞こえる。 「……ない…恨むなよカイン」 最後の言葉がはっきり聞こえたと同時に、ふと頭の上から気配がなくなる。 「起きろっつてんだろうがぁ!!」 無言で右に回避。 隣でガツっと鈍い音とともに、苦痛を耐える声。 僕を蹴ろうとするからだ。 「おはよう、ミカエル」 寝そべったまま顔をミカエルの方に向き、にっこりと笑顔。 対するミカエルはまだ痛いのか、膝を抑えながら口元をヒクヒクさせている。 あ、ヤバい。 ミカエル怒っ「おはようじゃねぇんだよ!!このバカイン!!」 ほら始まった… 「大体お前はいつも…」 また長々と説教されるのは嫌だ。 てか面倒くさい。 「おいコラ聞いてんのか?」 「いや全く」 ミカエルは口元を真一文字に結び、顔を真っ赤に染め上げる。 「ふざけんなぁぁぁぁ!!」 怒ったミカエルはまるで火山のようだね、うん。 「で?要件は?」 まぁ大抵は神様がお呼びだーみたいな感じでしょ。 「あぁ…その事なんだが…」 勿体ぶらないで早く言って欲しいな。 「カイン・クリエイト お前を反逆の罪で城へ連れて行く」 ガチャリと音を立てて僕の手にかけられるのは手錠。 「…は?」 僕は何が何だか分からない内に、誰かの魔法で気絶させられた。  
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