天界

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「すまないな…」 それが僕の聞いた、最後の言葉とミカエルの辛そうな顔だった。 「…ここ…は?」 目を覚まし、辺りを見回す。 …気持ち悪い。 「なんだ、ここ?」 辺りが鏡で覆われて、自分が何人も何十人も何百人もいるように見える。 「ずっといると精神が壊れそうだね…」 思わず苦笑。 「さて…ここで僕はいつまで居るんだろうね…」 「ずッとサ!!」 「!」 周りに誰もいないとばかり思っていた。 「いヤ?誰モいなイヨ?」 変なイントネーションで喋る'それ' それはただの光の玉だった。 「…何?これ?」 ただの光が喋っているのだ。 驚くのも無理はない。 「君は、こコカら出たいカイ?」 出たいか出たくないかで言うと、やはり出たい。 自分にずっと見つめられるのはなんか嫌だ。 「そうダヨね!出たイよネ!」 じゃあさ、と震える体?を止めて続ける光。 「僕に、触れてよ」 簡単でしょ?とまた体をふるわせる光。 「触るだけ?」 怪訝そうに聞き返す僕。 「そう!触るだけ!」 僕は言われるままに光に手を伸ばした。  
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