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朝目覚めると、なんだか頭が痛かった。
昨日雨に打たれていたせいだろうか。
「身体だるっ。」
リビングのドアを開けると、なんだか焦げたような匂いがする。
「ん?火事?」
「あっつ!!!」
大声のほうに目線を向けると、蓮王がフライパンを前に悪戦苦闘している。
「あーあ。やっぱ犬だから料理へたくそだね。家事できないとか本当に犬飼ってるみたいになるじゃんね。」
今までのことを全部取り返すかのように馬鹿にした調子で投げつけた言葉に、連王の目はこちらを据えるように睨んだ。
「あーこわっ、そんな顔してると作ってあげないよ。」
そういって私は彼の握るフライパンを奪いとった。
「何が食べたいの。目玉焼き?」
冷蔵庫から卵を取り出し、片手で殻の間から中身をするりとフライパンの上に投げた。
水をさすと温かい湯気があたりを包み、それを逃がさぬようにふたをしめ、トースターに食パンを入れる。
コーヒーを入れ、蓮王のコーヒーには砂糖とたっぷりのミルクを入れた。
「なんで俺とお前の飲み物の色が違ぇの。」
「だって、蓮王はミルク好きでしょ。」
「また馬鹿にしただろ。」
「んじゃあこれ飲んでみる?」
私がいつも飲んでいるブラックコーヒー。
目が冴えるからドリップのかなり強めのブラックを飲んでいる。
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