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蓮王はしばらく鼻をひくひくとさせてにおいを嗅いで、ぺろっと舌でコップに口をつけた。 「うげっ。お前なんでこんな泥みたいな飲み物飲んでんだよ。」 「だからいったでしょ。あんたはミルク入りでいいの。」 いつもはそんなに朝ごはんは食べないのだけれど、朝のそんな一件のせいで、食卓にはかなり朝食らしい朝食が並んだ。 「いただきます。」 「いた…だきます。」 私を真似するように、蓮王はつぶやいた。 「あんた今まで何食べてたの。」 「冷蔵庫にあったミルク飲んでた。」 「やっぱりね。どうも減りが早いと思ったのよ。」 卵を食べる私をじっと見つめる蓮王。 彼は未だ卵には手をつけず、ずっと食パンを口にくわえている。 「もしかして…箸使えないの?」 すると少し頬を赤らめ、目の前にあった箸を強引に掴んだ。 そして私の箸を持つ手をちらちら見ながらまねをしようとするが小さな子供が始めて箸を持つときのように、まったくうまくいかない。 見ているとなんだかイライラしてくるくらいだ。
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