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「そう…。悪かったわね。でも…私からタバコまで奪わないで。」
無意識のうちに出たその言葉は、言い終わった後も意識は外の枯れ木に奪われたままだった。
「なぁ、紗亜耶。」
「何。」
タバコの煙を消して、もう一本のタバコを口にした。
そのタバコを奪った蓮王は、ニタリと笑う。
「何よ。」
「俺の変えの服買いにいかない?」
「は?」
突然の提案は、少しして納得できた。
彼が着ている服はもちろん昨日から変わってないし、さっきシャワーに入ったのにきっと下着も同じものを履いているんだろう。
ここで90日過ごすなら、多少の買出しは必要だ。
こんな日でもないと一緒にいってあげられることもないだろう。
「まぁ…そんな汚い格好で部屋にいられるのも嫌だし、行ってもいいけど…。」
「んじゃぁ、早く支度しろ!そんな顔じゃ、外出られないだろ。」
「余計なお世話よ。」
もうあまり争うのも面倒で、得意の体育座りをやめた。
そして得意のスキニーパンツにニット、真っ黒なコートを着て、ブラウンのパンプスを履く。
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