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「なんかさ…ほんとかわいくないな、その格好。」 「うるさいわね。文句言うんならつれていかないわよ。」 部屋を出てから繁華街までの道のりは、朝の散歩をしているようで、気分が晴れた。 「紗亜耶、知ってる?お前が俺を拾ってきたあの日、いつの間にか寝ちまったお前にキスをして、人間になってお前ベッドまで運んでやったんだぜ。」 いっきに気分が害された。 「ちょっと!それって犯罪じゃない!ただの夜這いよ!汚らわしい!」 「そんな顔赤くすることないだろ。」 「ふざけんなっ!」 持っていたバックで思い切り頭を殴った。 「いって!」 「こんなんじゃ足りないわよ!」 「いった!おい、やめろよ。犬のときだったし、風邪ひかなくて済んだだろ!」 「くしゅん!」 ふいにくしゃみが出た。 「おい、わざとだろ。」 「わざとじゃない!」 そんな会話をしているうちに、電車に乗り込んでいた。 わりと空いている車内なのに、蓮王は私の近くを離れない。 その距離数センチ。 「ねぇ、なんでそんなに近づくのよ。」 「俺…電車初めてなんだよ。」
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