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そっか… 犬だから電車とか乗れないのか。 それより気になるのが回りの視線だ。 彼を犬だと気付いたのだろうか。 いや違う。 そんなことありえない。 多分、彼がすごく目立つからで、まれに見る美少年だからであろう。 車内がざわつくほど彼の顔は異質だ。 こんなのと一緒に私なんかが隣にいることさえが恥ずかしい。 「ねぇ、なんでお前そんなによくため息つくの?そんなにため息つくと幸せ逃げるよ?」 犬のくせにそんなことどこで覚えたんだか…。 急ブレーキで、蓮王の腕を掴んだものの、すぐにその手を離したのは胸の高鳴りよりもきっと周りの視線だったと思う。 ふいに触れた手が再びその位置に私の手を戻したのは、その腕の持ち主の蓮王だった。 「掴まってろ。お前案外背低いのな。」 「あんたがのっぽなだけでしょ。」 恥ずかしさを隠すために、放った言葉だったけれど、ばれていないか心配だった。 繁華街は日曜日ともあって少し混んでいた。 男の子の服なんてどこで買えばいいんだろうと少し不安はあったけれど、行ってしまえば結構目に入るもので、どこを歩いても立ち寄る店はあった。
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