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「ほんと、食べるもんもお子チャまだよね。」
「は?お前だって同じもん頼んでるだろ。」
「私は――ッ…。」
そこで口をつぐんだ。
これ以上言ったら、惨めな女に成り下がると予想がついた。
「タバコ吸ってくる。」
それから私たちは、蓮王が食べたいといったクレープを食べながら蓮王がいいといった少し派手なシューズを買い、まだまだ寒い外を歩くのに分厚いコートを買った。
「あー結構な出費…今月切り詰めなきゃ…。」
「俺が本当の人間になれたら、全部返すからな!」
「あーら、本当の人間になれたら飼い主から離れなきゃいけないんでしょ。それなら返せるものも返せないわよ。いいよ。もう諦めてるから。これは神様が私に与えたちょっとした意地悪な贈り物だと思って乗り越えるから。」
蓮王のむすっとした顔にももう慣れた。
「意地悪なってなんだよ!」
少し歩くとレディースのショップが立ち並ぶほうへと出てきてしまった。
「さっ、買い物終わり!夕飯の買出しして帰るよ!」
そういった矢先、向かいのショーウィンドーに飾られたアームチェーンに目を奪われた。
繊細なシルエット。
ピンクゴールドの色合いがなんともかわいらしく、キラキラと一粒のクリスタルが存在感抜群に輝いていた。
思わず近寄って掌をショーウィンドーに押し付ける。
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