ペット≒彼氏

Ⅵ

「熱あっかもな。傘もささないで雨ん中歩くからいけないんだろ。」

体がふわっと浮いたのは、蓮王の両腕の中に入ったからだった。

「ちょっちょっと！大丈夫だよ！一人で歩ける！」

「ばか、じたばたするなっつの。大人しくしてろ。落ちるぞ。」

確かにここで落ちたら背中から床に落ちることになる。
そんなことになったら風邪どころか骨折だ。

初めてこんな体制の格好で男の人に抱かれた。

今日買ってきたパジャマ用のスウェットは肌触りがよく、眠気を誘うほど温かく気持ちがいい。

ベッドに下ろされ、布団をかけられると、なんだかいっきに眠気が襲った。

久しぶりに買い物なんかに出かけた。
そういえば徹とのデートは夜ばっかりで、やることといえばいつもワンパターンに決まっていた気がする。

そう思うと、今日の買い物は結構私にとっては久しぶりの冒険だった。

熱が出てるとは言えど、心地のいい疲労感で布団とシーツの感触が気持ちがいい。