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「うん!」
全力で扉を閉めて後ろに逃げた。玄関まで一秒もかからずに弾けるように走る。居間の扉が大型の刃物によって半分になってた。俺の家どうしてくれるんだ。
手すりを飛び越えて生死を賭けた大ジャンプ。ちょっとでもミスれば玄関の扉も真っ二つにしたあれで俺も真っ二つ。真っ二つになったら俺にも蝶番をつけて扉になるか、ってバカか。グロいわ。
全身のバネを使って着地と同時にゴロゴロと地面を転がる。成功。五体満足。素晴らしい。逃げよう。逃げる最中で俺の部屋の方を見たら俺と同じように飛び降りてくる人影が見えた。やばい。
走る、走る、走る。警察?無理だろ。多分俺も派出所の罪なき国家権力も一緒に仲良くジオングだ。足が飾りとかふざけんな。下半身大事だろ。
駆ける、駆ける、駆ける。じゃあどうしよう。こんな夜遅く頼れる人なんてまるでいない。
クソッ。頭の中で二年前を思い出す。そうだ、あの時の俺には出来ていたはずだ。誰にも頼れないなら、俺自身を頼ればいい!
路地裏に逃げ込む。右腕に集中。想像する。あの頃の俺の姿を。人を殺した時の俺を!
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