お城からの招待

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─酒場─ 「おぉ姉ちゃん、相変わらずいい尻してんなぁ!」 「きゃっ!?」 ガシャンと大きな音をたてて手にしていたジョッキと皿が床に叩きつけられる。 「アミル!!」 「すみません!すぐに片付けますっ…!」 慌てて箒と塵取りを持ってきて床を掃く。 店主が今日の給料は無しだと叫ぶ声が響き渡った。 ため息をはきながら裏のごみ箱へと砕けたそれを捨てに行くと、わざとらしく大きな声で客と話す店主の声が聞こえた。 「ったく全く使えやしねぇ。たかが尻を触られたくらいで大事な商売道具を割りやがって。あんな尻してんだ。いっそのこと娼婦にでもなっちまったほうが向いてるんじゃねぇのか?」 「たしかに尻のでかい女は淫乱だって言うからなぁ。」 ギャハハっと品のない声が聞こえる。 私は周りの女の子達と比べると大柄でお尻も大きい。 お尻の大きな女は生まれつきの淫乱女だと皆に馬鹿にされるしからかわれる。 それでも私を抱こうとする男がいないのは背の高さがあるからかもしれない。 普通女は158センチから162センチくらいが平均なのに、私の身長は167センチと高めだ。 もちろん男達はそれ以上に大柄だがでかい女は魅力を感じないと相手にすらしない。 運がいいのか悪いのか分からないような体型だ。
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