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待ちに待った夜。
いよいよ王子のお部屋に向かう時間が来ましたわ!
ワタクシは上機嫌で部屋の前までメイドと共に向かいます。
扉の前に着くとメイドがノックをして扉を開きました。
「失礼します。ルーディエ様をお連れしました。」
「わかった。」
パタンと静かに扉が閉まる音がすると心臓がドキドキして、まるで少女の頃に戻ったよう。
ですが僅かに灯る小さな明かりの中には王子の他に一人見知った顔があるのに気がつきました。
あの鼠を捕ってきた男です。
「まぁ王子。彼はどうしましたの?」
「今日はいつもと違った趣向でいこうかと思ってな。」
そういう王子の顔はニヤニヤしている。
「どんなことですの?」
まさか二人の愛の営みを見せつけるとか…っ!?
ワタクシは思わず照れつつも顔がニヤけてしまいました。
「あぁ、今日は俺じゃなくてこいつとそのソファでヤってみろよ。」
…はぁ?
思わずはぁなどという品のない言葉が心のなかで叫ばれました。
「そんな…どうしてですの?」
「出来ないなら今日はもう下がっていい。」
王子はつまらなさそうに椅子に寄りかかる。
こんなこと…
ですけれども、こんなことで王子からの寵愛が無くなってしまうくらいならば…!!
ワタクシは苦しい気持ちを押さえつけて男をソファに押し倒しました。
ちらっと王子の方を見ると満足そうな顔でこちらを眺めているのが見えます。
ワタクシはそのまま自らドレスを脱ぎ、人生初めて夫以外の男に奉仕をし、身体を明け渡しました。
ですが、これが後にワタクシを再び絶望に突き落とす引き金となってしまったのです…。
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