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今は桜がちょうど舞い散る頃――
ここは京都の端くれにある小さな神社。
小さなと言っても京都にはたくさんの大きな神社が在るため、その神社-大神神社-が小さく見えるだけなのだが……
だが、大神神社はもう存在していない。
そう、大神神社は焼け跡地と化しているのだから……
大神神社は普通の人は知らない…否、知るはずもないのだ。
―――大神神社は特別な力によって護られているのだから―――
例えば、外が雨だったりしても鳥居をくぐると、何故かそこだけ雨は降らない。
地震や津波が来てもそこだけは護られている―――
そして、そんな神社の祭祀をしていた家系は―――
――沖神家だった――
大神神社が何故存在しなくなったのか……それは今から10年ほど前の冬に遡る―――
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