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衝撃波が衝突した[何か]とは、無色透明な壁だ。そちらもまた、能力で創り出したもの。わずかに光が屈折して、見えづらい輪郭が目標の樹木の前に佇んでいる。
それに衝突した衝撃波、その余波は円を描いて地面と垂直に広がった。
そのため少年に被害は無かったが、余りの威力に冷や汗を浮かべている。
「なんつー威力だよ・・・。」
彼は最初の発射実験という事で、凝ったイメージなどはせず、あいまいでてきとうなイメージをしたのだ。
それ故に壁も衝撃波も無色透明になった。
しかし、結果は目の前に広がる緑の残骸が表している。
まるで大量のダイナマイトを一直線に置いて爆破したのではないか、と言える程にえぐれた地面と薙ぎ倒された樹々が、衝撃波の威力の高さを物語っている。
特にイメージもせずにこれだけの威力が出るとは・・・。
では本気でコレを放つとどうなるのか。
まだ冷や汗の引いてない彼の顔に、子供のような笑みが浮かんだ。
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