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別に手を向けなくても衝撃波は出せるのだが、それだとイメージがしにくい。
手を発射口と考えれば、イメージするのがかなり楽になるのだ。
そうやって彼は目を閉じながら、イメージを固める。
衝撃波、なんていう訳のわからないものはイメージし辛い。
「まあ、実験だから、テキトーでいいや。」
カッ、と目を見開き、彼は曖昧なイメージを前方へと打ち出した。
まるで巨大な羽虫が羽を震わせるような音をたてて、彼の手から衝撃波が打ち出される。
山の側面に当たったそれは、爆発のような大きな音をたてて、土煙を巻き上げた。
「ゲホッ・・・。あー 見えねぇな・・・。」
土煙で山の表面が隠れてて、一体どうなったのかが全く見えない。
「突風なんかを起こせば・・・。」
彼の右手を横にふるう動作と共に突風が起こり、土煙を吹き飛ばしてゆく。
そして、目の前に現れたのは巨大な穴。
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