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まだ飛ぶ事の出来ない彼は、重力に引かれて地面へと着地する。
討伐成功、あと1分で帰還します。
なんて文字を脳内に描きながら。
「何処の誰だか知らんが感謝する!」
中世の騎士のような鎧をつけた女性が、凛々しい声で彼に話しかけた。
そのテンプレな人物に、少年は思わずため息を漏らしそうになる。
しかし、女性の騎士と言うことは、護衛対象はどこぞの姫君であろうか。
「姫ッ!お怪我はありませんか!?」
「ええ、大丈夫よ・・・。」
馬車の周りに数人いた騎士の1人が焦りながら、純白のドレスを着た少女に話しかける。
やはり[お姫様パターン]であったか、と、少年が自分の予想が的中していたことにやや感動。
姫と呼ばれた少女は青い顔をしているものの、怪我は無いようである。
少女が無事だった事を知り、騎士達に安堵の声が広がった。
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