My name is

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そんな状況を見て隊長は、 「もういい!!私がやる!!」 と怒鳴ると、鞘から煌びやかな装飾の施された剣を抜き、彼に向けた。 そして目にも留まらぬ速さで動いたかと思うと、何時の間にか彼の後ろでその首筋に剣を添えていた。 だが、実際に隊長の動きが見えなかったのは姫と騎士達であり、強化された彼の目には隊長の動きがしっかりと映っていた。 彼から見れば、騎士隊長の動きはあまりにも遅い。 対応しようと思えば出来たのだが、それは面倒くさい。 あえて後ろをとらせてやったと言っても良い。 それなのに、騎士隊長は勝ち誇った顔を浮かべているのだろう。 それを想像すると、あまりにも滑稽すぎる隊長の姿に、思わず嘲笑の笑みが漏れた。
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