出発

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レンジがそう言った瞬間、彼は自分の身体を捻って180°向きを変え、隊長と向きあった。 レンジがとてつもないスピードで回転したため、隊長ですら彼の動きを捉える事が出来なかった。 隊長から見れば、彼の後ろをとったはずなのに、何時の間にか自分と彼が向き合っている様に見えただろう。 にもかかわらず隊長の表情は変わらなかった。 当たり前だ。 隊長の首は落とされていたのだから。 レンジは体を回転させるのと同時に、手刀で突きつけられていた剣と隊長の首をなぎ払ったのだ。 折れた剣を持ちながら、首の無い隊長は地面に倒れ、朱色の水溜りをつくっている。 「その程度か!」 と、少年が死体を嘲笑っているのを見て、騎士達は隊長が死んだ事に気づいた。 騎士達はレンジの笑顔に恐怖を感じ、剣に手をかけ、 「よくも・・・・。隊長をッ・・・!」 誰かが言った言葉を聞いて、一斉に全員剣を抜き、構える。 だがそれでも、レンジは大して面白くなさそうに気の抜けた表情をしていた。 そんな彼の目の前で、騎士達の身体に、赤、青、黄、茶、緑、黒などの影のようなモノが漂い始める。一色のみの者もいれば、複数の色を持つ者もいた。 おそらくそれは身体強化。思い返せば、先ほどの騎士隊長も動作時に身体を白く光らせていた。 あくまでも推測でしかないが、それぞれの色が属性を表しているのだろう。
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